給湯器に最適な温度設定はどれくらい？

給湯器は機種に適した温度設定にすることで、長期的に安定して使用できます。ここでは、給湯器に適した温度設定について解説します。

給湯器に適した温度設定

給湯器に適した設定温度は、一般的には40℃から60℃。水栓タイプによって異なります。

単水栓

給湯の際に水を足すことをしないため、給湯器の設定温度と吐水温度に差がありません。一般的に使用するが38℃から41℃程度のため、設定推奨温度は40℃程度です。

2ハンドル混合栓

2ハンドル混合栓ではお湯と水を別々に調整するため、給湯器の温度はやや高めに設定しておくと、混合しても適温が作りやすくなります。目安は60℃程度です。温度が低すぎると冬場のシャワーが冷たく感じやすく、高すぎるとやけどの危険があるため、季節や用途に応じて微調整を行います。

シングルレバー混合栓

レバー操作で水とお湯を混ぜる仕組みです。給湯器の温度を60℃前後に設定すると最も扱いやすくなります。冬場はやや高め、夏場はやや低めに設定すると快適です。光熱費の節約にもなります。

サーモスタット混合栓

設定温度を一定に保つ機能があるため、給湯器側は50〜60℃に設定しておくのが理想です。レバー操作で温度を変更しても急激な変化がなく、安全に使用できます。家庭用では45〜50℃前後でも、入浴や手洗いに適した快適な温度が確保できます。

給湯器の温度を40度以下に設定すると故障しやすい？

「給湯器の設定温度は40度以下にしない方が良い」と言われています。温度調整がスムーズに行えるという理由の他に、故障のリスクがあるからです。

多くの給湯器は、内部での温度がある程度高くなることで配管内の雑菌繁殖や結露、内部部品の腐食を防ぐ仕組みになっています。特に低温運転を続けると、水道水に含まれるカルキやミネラル分が配管内に付着しやすく、スケール（白い沈殿物）が蓄積される原因になります。また、給湯器の温度センサーや燃焼系統も、設定温度が低すぎると正常に動作せず、誤作動や故障につながることがあります。冬季など外気温が低い時期に低温設定で運転すると、凍結防止機能が作動しにくく、配管破損のリスクも高まります。40度以下で使用するとすぐに故障するというわけではありませんが、安全性や耐久性を考慮すると、極端に低い温度での運転は避けたほうが良いでしょう。

給湯器の光熱費を節約する方法

水栓をサーモスタット混合水栓に切り替える

サーモスタット混合水栓は設定温度を自動で一定に保つため、無駄な給湯を防げます。手動でお湯と水を調整する必要がなく、適温にすぐ到達するため、余分にお湯を出す時間や量を削減できます。特に家族が多い家庭やシャワー使用が多い場合、温度ムラを減らすことで光熱費を抑えながら快適な給湯を維持できます。

湯量を減らす

給湯器の使用量を減らすことは、光熱費削減に直結します。例えばシャワーや洗面時の湯量を半分にするだけでも消費エネルギーを大幅に減らせます。湯量を少なくしても、サーモ水栓や節水シャワーヘッドを活用すれば体感温度はほぼ変わらず快適です。小さな工夫の積み重ねで年間の光熱費削減に大きく貢献します。

追い焚きしない

追い焚きは給湯器の燃料を多く消費するため、使用回数を減らすだけで光熱費を抑えられます。浴槽の保温性を高めるために蓋を活用したり、入浴前にお湯をためすぎないように調整したりするのも効果的です。また、家族の入浴時間をまとめることで追い焚きの必要を減らせるため、給湯エネルギーの効率化につながります。

温度設定を見直す

給湯器の温度を必要以上に高く設定すると、無駄なエネルギーを消費します。家庭での快適な使用温度は40〜45℃程度が目安です。冬場は少し高めでも、夏場は低めに設定するなど季節に応じて調整すると節約効果が高まります。適切な温度設定は、光熱費の削減だけでなくやけど防止や給湯器の寿命延長にもつながります。

使用しないときはリモコンを切る

給湯器のリモコンをオフにするだけでも待機電力の消費を抑えられます。多くの給湯器は待機中も内部回路や表示パネルに微量の電力を使うため、長時間使用しない場合はリモコンを切ることが効果的です。また、リモコンを切ることで誤操作や子どものいたずらによる無駄な給湯を防げます。

省エネタイプの給湯器を使用する

エコジョーズや高効率ヒートポンプ式など、省エネ設計の給湯器は少ない燃料で効率的にお湯を作れます。従来型に比べてガスや電気の消費量を大幅に抑えられるため、光熱費の削減効果が高いのが特徴です。初期費用はやや高めですが、長期的に見ればランニングコストを大幅に節約でき、環境負荷の軽減にもつながります。