給湯器の交換まるわかりガイド » 給湯器の基礎知識 » 石油給湯器の排気方法を徹底解説!FE式とFF式の違いとは?

石油給湯器の排気方法を徹底解説!FE式とFF式の違いとは?

石油給湯器を設置する際、「FE式」と「FF式」のどちらを選ぶべきか迷う方は多いでしょう。両者は排気や給気の方法が異なるため、安全性や設置環境に影響します。しかし、実際にはどちらにもメリット・デメリットがあり、性能面で大きな差はありません。重要なのは、住宅の構造や換気環境に合わせて適切なタイプを選ぶことです。この記事では、FE式とFF式の違いや特徴、選び方のポイントをわかりやすく解説します。

FE式とFF式の違いとは

石油給湯器の排気方式には主に「FE式」と「FF式」があります。どちらも燃焼時に発生する排気ガスを安全に屋外へ排出するための方式ですが、構造や設置方法に大きな違いがあります。

FE式は「強制吸排気式」とも呼ばれ、屋内の空気を燃焼に利用するため、給湯器自体が屋内の空気を吸い込み、燃焼後の排気ガスをファンで屋外に排出します。そのため、屋内の換気環境に影響を受けやすく、設置場所や換気条件に注意が必要です。一般的に設置コストは比較的低く、既存の給湯器からの置き換えも容易です。

一方、FF式は「密閉式強制給排気」とも呼ばれ、給湯器の燃焼に必要な空気を外部から直接取り込み、排気も外部へ直接排出します。屋内の空気を使わないため、燃焼による酸素消費や排気ガスの逆流の心配がなく、室内の空気環境に影響を与えません。安全性が高く、特に住宅の密閉性が高い現代の住宅では推奨される方式です。ただし、排気管の設置位置や貫通部の施工に制約があり、設置コストはFE式よりやや高めです。

FE式とFF式のメリットとデメリット

排気方法が異なるFE式とFF式には、異なるメリット・デメリットがあります。おさえておきたいポイントを解説します。

FE式のメリット・デメリット

  • 設置が比較的簡単
  • 初期コストが低め
  • 換気口が少なくても運用可能
  • 屋内空気に影響
  • 排気逆流の可能性
  • 冬場の暖房効率低下

FF式のメリット・デメリット

  • 安全性が高い
  • 室内環境に影響なし
  • 効率的な燃焼
  • 設置コストが高め
  • 設置場所の制約
  • 工事が複雑

FE式はホコリなどが詰まることがある

FE式の給湯器は、屋内の空気を燃焼に利用する仕組みのため、室内に浮遊するホコリやチリを吸い込みやすいという欠点があります。吸気口や内部にホコリが溜まると、燃焼効率の低下や不完全燃焼の原因となることがあります。また、ファンや吸気フィルターに汚れが蓄積すると、異音や故障のリスクも高まります。定期的な掃除やメンテナンスを行うことで、安全で安定した運転を維持することが大切です。

FF式は排ガスを取り込んでしまうことがある

FF式給湯器は、外気を直接取り込んで燃焼し、排気も外へ排出する仕組みですが、排気口と給気口の位置が近すぎると、排気ガスを再び吸い込んでしまう「排気再循環」が起こることがあります。これにより、燃焼効率の低下やススの発生、不完全燃焼のリスクが高まります。特に風向きや設置環境によって影響を受けやすいため、設置時には給排気管の距離や向きを十分に考慮し、専門業者による適切な施工が重要です。

FE式とFF式で悩む必要はない

ここまでFE式とFF式の違いを紹介してきましたが、結論として、石油給湯器を選ぶ際に「FE式とFF式のどちらが良いか」で過度に悩む必要はありません。どちらの方式も安全性や性能面で大きな差はなく、最も重要なのは「設置環境に合っているかどうか」です。たとえば、戸建て住宅で十分な換気が確保できる場所ならFE式でも問題ありませんし、気密性の高い住宅やマンションなどではFF式を選ぶことで、より安全で快適に使用できます。

また、近年の給湯器はどちらの方式でも燃焼制御や安全装置が進化しており、日常的な使い勝手に大きな違いはありません。最終的には、設置場所の条件や施工業者の推奨に従い、適したタイプを選ぶことが最も確実です。無理に比較するよりも、「安全に・効率よく使えること」を重視するのが賢明な選択といえます。

信頼できて頼れる
給湯器交換業者は?

イメージ

給湯器の交換は実は思いのほか高く、工事費と合わせて40万や50万かかってしまうケースも。日常生活に欠かせないものである以上、すぐに対応できて信頼できる業者に依頼したいですよね。ここでは全国に対応した老舗の業者を紹介します。